こんちわっす!
先日、仕事中にこんな一幕がありました。
とある利用者さんがプライベートで転倒し、足を骨折されたとの事。
担当のケアマネジャーが訪問され
「骨折してるのに歩けるの!?」
との質問が。
そして即答しました。
「歩けますよ!!」
ケアマネジャーは少し驚いた様子でした。
はい、でも歩けるもんは歩けるんです。
利用者さんがどこを骨折されたかと言うと・・
腓骨です!
こちらになります。

皆さんから 「足の骨の細い方」 とよく言われるやつですねぇ。
細いだけで覚えてもらえる腓骨ってすごい(笑)
本日はそんな腓骨の役割や歩行にどう影響するのかを解説していきたいと思います!(^^)!
目次
腓骨の解剖学的特徴

①下腿骨に分類される
腓骨は下腿骨に分類されます。下腿骨は膝から足関節にかけて2本の骨で構成されています。
「脛骨」+「腓骨」
から成ります。
上端と下端で脛骨と腓骨は連結しており、関節運動の際に連動して動きます。
②人体の中で2番目に細い骨
腓骨は縦方向に細長い形状をしています。
脛骨の1/4程度の太さしか持ち合わせていない事も特徴です。
従って力学的には脛骨よりも脆弱であり、同じ外力が加わった場合は必然的に脛骨よりも骨折の可能性が高くなります。
また、人体の骨の中で耳小骨(耳の中の小さな骨)に次いで2番目に細いとも言われています。
③骨癒合日数
腓骨の骨癒合日数は約5週間と言われています。
骨折部位・年齢・性別・既往歴などで前後する事はありますがおおよそ5~7週間程です。
腓骨の役割
①衝撃吸収作用
一つ目の働きは地面からの衝撃を和らげる事です。
”ショックアブソーバー”
とも言われ、歩いたり走ったりする際に足への負担を軽減してくれます。
②足関節の運動のサポート&安定性を高める
二つ目の働きは足関節の動きと安定性に関与します。
腓骨は足首に存在する足根骨と関節を構成されており、共同して動く事で複雑な関節運動を可能にします。
また、腓骨と足根骨は靭帯・筋・腱などの軟部組織で連結しています。
骨折や損傷等で本来の機能が失われると不安定性が増し、足関節捻挫などの外傷症状を引き起こす要因となり得ます。

腓骨と歩行の関連性

①正常荷重では脛骨優位
人が立位を保持したり歩行する際は必ず足に荷重が加わります。
下腿骨も然りです。
では脛骨と腓骨に加わる荷重割合はどれくらいなのでしょうか?
歩行時の場合で見てみましょう。
脛骨・・・体重の約3倍 腓骨・・・体重の約10% と言われています。
脛骨・・・180Kg 腓骨・・・6Kg の負荷がかかるという事になります。
つまり
圧倒的に脛骨にかかる負担が大きい!!
という事が分かりました。
これはすごい差ですよね。。
そして同時に
腓骨に耐荷重機能はそれほど無い=荷重時は脛骨に依存する部分が強い
という考えにも至ります。
②他部位での代償
腓骨の機能損失は歩行に影響を与えますが、他部位で機能をカバーする事も可能です。
連動して動く脛骨・足根骨の他にも、股関節~体幹の機能を活用すれば歩行自体は可能です。
”代償機能の活用”とも言います。
ですが、代償している部位の負担が大きくなり二次的な痛みなどを引き起こしてしまう可能性はあるので注意が必要です。
pick up!

元サッカー日本代表の中山雅史さんは
”1998年フランスW杯で腓骨を骨折しながら試合を続けていた”
とういエピソードで有名です。
骨折をしたのは得点を決めた直後だったそうで、その後も試合終了までピッチに立ち続けました。
約15分くらい骨折したままプレーを続けていた事になります。
試合中はアドレナリンが分泌されて痛みを感じにくくなるとは言いますが・・・
凄まじいアスリート魂ですね!
さすがは日本を代表するストライカーです!!
中山さんのエピソードからも分かるように、腓骨を骨折していても走れるという事が証明されています。
中山さんの場合はトップアスリートなので、例外と言えば例外ですが(笑)
結論
・荷重時の支持性は脛骨に依存する部分が強く、腓骨の耐荷重機能はさほど備わっていない
・他部位の代償機能を活用する事で腓骨自体の機能を補なう事が出来る
腓骨を骨折していても歩行が可能なケースもありますが、症状は人によって様々です。
骨折部位・骨片の転移の有無・体力・筋力・心肺機能などによっても左右される部分がある為、誰しもが100%歩けるという訳ではありません。
仮に歩けたとしても痛みが伴う可能性は高いです。
そもそも骨折しない事が一番ですよね(*^^*)
本日はここまで!ではまた♪
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