こんちわっす!
突然ですがこんな話を耳にした事はありませんか?
【膝に溜まった水を抜くと癖になる】
治療する側として幾度となく聞かされてきました。
「膝に水が溜まっていると言われた」
「膝の水を抜いてもらった」
「水を抜いたのにまた溜まってきた・・・」
心当たりのある人も居ると思います💡

確かによく聞くフレーズだね。
実際の所、本当に癖になるのかな??
率直に結論から言います。
「癖にはなりません!!」

じゃあ癖になるってのは嘘なの??
今回はこんな疑問についてお答えしていきたいと思います!
下記の内容を基にお話していきます!(^^)!
・膝の水の正体
・膝に水が溜まるメカニズム
・治療法
よろしくお願いします🙇

📒こんな人にオススメ
- 膝に水が溜まりやすい人
- 膝に水が溜まる理由を知りたい人
- 慢性的な膝痛に悩んでいる人
- 正しい治療法を知りたい人
膝の水の正体
まずは最初に「膝の水の正体」について解き明かしていきましょう。
世間では “水が溜まる” と表現される事が多いですよね。
かなり抽象的な表現とも言えます。
そもそも「水」とは何なのか?

「水」と言っても色んな種類があるよね。その正体って何なんだろう?
その正体とはズバリ・・・
【関節液】です!!

関節液!?
そう、関節液です。
一般の方には馴染みの無い言葉かもしれません。
関節内を満たしている透明で粘り気のある液体
これだけ聞いてもピンときませんよね💦
イメージはこんな感じですかね👇

特徴はこちら👇
- 滑膜によって作られる
- 関節の動きを円滑にする潤滑油の作用
- 関節軟骨の栄養源
- ヒアルロン酸を多く含む
かなり重要な働きを担っている事が分かりますね。

ただの水じゃ無かったんだ!
体にとって必要な水なんだね!!
つまりは
「膝に水が溜まる」 = 「関節液が溜まっている」
とも言えますね。
この関節液の正常値は1~3ml程度と言われています。

関節液が溜まった状態では、20~30ml以上に増えると言われとるんや!

数値が10倍以上に増えてるね・・・
体にとって必要な存在
関節液の役割
正常な関節液の量
などは知っておきたい所ですね♪
膝に水が溜まるメカニズム
ここからは「膝に水が溜まるメカニズム」について解説していきます。
基本的な流れは以下の通りです💡
①炎症反応の出現
👇
②関節液の増加
👇
③関節の肥大
理由は至ってシンプルなので1つずつ見ていきましょう☝️
①炎症反応の出現
膝に水が溜まるとまず起きる現象が「炎症反応の出現」です。

何らかの異常で膝関節内に炎症を来たしているという状態です。
炎症反応が起きる原因としては様々です。
- 関節の変形
- 半月板や靭帯などの損傷
- 骨折
- 骨棘の形成
- 細菌感染
- 関節リウマチ
怪我や内的疾患など、原因は多岐に渡ります。

へー!色んな原因があるんだね。
怪我のイメージが強かったよ。。
更に、諸症状によって水の色は変化します。
・透明な黄色 ⇒ 正常。
・赤褐色 ⇒ 骨折、半月板、靭帯損傷など。
・黄濁食 ⇒ 感染症や関節リウマチなど。
病院で水を抜いた際に色を確認して、診断を受けるのが一般的ですかね。

何が原因で水が溜まっているかを特定する事が重要なんや。その後の治療方針にも関わってくるしな!
参考までにどうぞ💡
②関節液の増加
炎症反応が起きると「関節液が増加」します。
「膝の水の正体」=「関節液」
という話を先程しましたが
まさにこれこそが “膝に水が溜まっている“ という状態に他なりません。

どうして炎症が起きると関節液が増えるの?
答えは簡単です!
【炎症を鎮めようとして関節液を放出する】
からです。

何となく分かったような?
ちょっと分かりにくかったかも知れませんね(笑)
身近な例を出します☝
火事を思い浮かべてみて下さい。
皆さんならどうしますか?
もちろん、火を消すために水をかけますよね?

理論はこれと一緒です!
【膝の中で火事が起きていて、その火を消すために水をかける】
「火事」=「炎症」
「水」=「関節液」
と言い換える事が出来ます☺
少し強引な例えでしたが何となくイメージがつきましたかね?

なるほど!
例えで考えると理解しやすいね♪
この消火活動を体が勝手に行ってくれるという訳です!(^^)!

人間の “防衛本能“ とも言えるな!
人の体って本当に凄い!!
③関節の肥大
関節液が増加すると「関節は肥大」します。
俗に言う「膝が腫れる」ってやつですね。
こうなってしまうと日常生活にも支障を来してしまいます。。
- 歩行障害
- 階段の上り下りが困難
- しゃがみ動作などの制限
- 立位を保てない
思い付くだけでもこれだけあります💦

無理して生活をしていたら更に膝が腫れ、重篤な怪我や障害に繫がる可能性まであります😨

これでは仕事も無理だね。。
仕事どころか、日常生活もままならないよm(__)m
ここまで症状が悪化すると何らかの治療や対策が必要になります。
放置せずに、速やかに医療機関や治療院などを受診する様にしましょう。

放置が一番やったらアカン事や。。
次は治療法について解説していくで!
治療院選びのコツはこちらから👇
治療法
メカニズムが分かった所で
「治療法」はどうすればいいの?
この疑問にお答えしていきます☝
治療法は主に2つあります。
①関節穿刺
②保存療法
「膝の水を抜くと癖になる」の理由とも関連してくる部分もあるので、分かりやすくご紹介していきたいと思います!(^^)!
①関節穿刺
1つ目の治療法が「関節穿刺」です。
「関節穿刺」と聞いても何のこっちゃ分かりませんよね。
単純に【注射をして関節内の水を抜く】という方法です。

医療用語を使わずに初めからそう言えよ(笑)

一般的に言う「膝の水を抜く」という方法だね!
溜まった水を除去するには即効性があり、有効的な方法です💡
ただ、この方法には問題点が2つあります。
・関節液は体にとって必要
・肝心の炎症反応は治まっていない
とても重要なポイントなので深堀していきます!
関節液は体にとって必要
前述しましたが【関節液は体にとって必要】です。
これを意図的に抜いてしまうと
- 潤滑油としての機能が低下
- 関節軟骨への栄養が枯渇
- 体内の水分量が低下
などのリスクが高まります。
結果、更なる膝痛の悪化や変形性関節症などを引き起こす可能性があります。。

人体に不要な物は無い。
必ず意味があるんや。
肝心の炎症反応は治まっていない
膝の水を抜くと一時的には症状が軽快します。
しかし実際の所は
【肝心の炎症反応は治まっていない】
事が殆どです。
これは結構大事なポイントですよ!!

炎症反応が治まっていないとどうなるの!?
大抵の場合がこうなります😨
膝の水を抜く
👇
一時的に症状が軽快する
👇
炎症が治まっていないまま活動する
👇
更に炎症が強くなる
👇
再び水が溜まる
まさに悪循環。。
【膝に溜まった水を抜くと癖になる】
と言われる真実はこれです!!!
水を抜いて
痛みが無くなった!
動いても痛くない!!
と喜んだのは束の間・・・
意気揚々と活動を再開すると
また痛くなってきた・・・
また腫れてきた・・・
この負のループに陥ってしまうという訳ですね。。

水を抜いたら治るものだと思ってた。
再発する背景にこんな理由があったなんて・・・

水を抜くだけでは根本的な解決にはならんのや。正しい知識を身につけておく事が大切やで!
②保存療法
2つ目の治療法が「保存療法」になります。
外科的な処置を行わないやり方です。
「安静・冷却・圧迫・挙上」
の【RICE処置】を大原則とした方法ですね💡
RICE処置の詳細はこちらを参照👇
基本的な保存療法は以下の通りです。
- 包帯固定
- サポーター固定
- 副子固定
患部を固定し「動かさない」という事が大前提となります。
炎症反応が治まる目安は “24時間~72時間” と言われています。
症状にもよりますが、およそ1~3日程を想定しておきましょう。

膝の炎症反応だけで無く、その他の怪我にも共通する事なんや。
いかに早くこの炎症反応を抑えられるかが勝負の分かれ道です。
その後の回復スピードにも影響してきますからね!
迅速な治療を心掛けたい所ですね☺

治療は早ければ早いほど良いんだね!
放置しない様に気をつけよっと♪
繰り返しになりますが
膝の水を抜いただけでは炎症反応は治まりません。
”水を抜いた後でもすぐに動かさず、患部を固定して炎症反応を抑えていく”
これがとても大切です。
更に可能であれば
“水は極力抜かずに保存療法で治していく”
これが一番ベストな方法です!(^^)!
炎症反応が治まれば
水を抜かなくても勝手に関節に吸収されて消失
していきますからね💡

人間が本来持っている「自然治癒力」を最大限活かしていきたい所やな♪
今回は【膝に溜まった水を抜くと癖になる】は本当か!?を検証してきました。
結果は
”然るべき治療を施せば癖にはならない”
という結論になりました😁
柔道整復師として長年働いて来ましたが、勘違いしている人は結構多いと思います。。
間違った知識や判断は症状を悪化させる危険性があります。
取返しがつかなくなってからでは遅いですから💦
自分の体は自分で守りましょうね!
少しでも膝の痛みに悩んでいる方の力になれたならば幸いです🙇
今日はここまで!
ではまた♪