こんちわっす!
本日は【機能訓練指導員】についてお話していきたいと思います。
機能訓練指導員?あまり聞き馴染みの無い言葉だと思います。
機能訓練指導員を一言で表すと
【福祉施設で高齢者に対してリハビリを行う人】
と言った感じでしょうか。詳細について解説していきたいと思います。
目次
機能訓練指導員の沿革

機能訓練指導員の始まりは、1997年12月の介護保険法の制定とともに新たな職種として定められた事に起因します。
厚生労働省の定義では「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」と記されています。
高齢者や要介護者が最低限の日常生活能力を維持できるよう、必要なリハビリの提案・実施を目的として設置された職種と言っても良いでしょう。
機能訓練指導員に必要な資格

機能訓練指導員という資格は実際に存在しません。あくまでも業務上での役職名です。誰でも職に就けると言うわけでは無く、一定の条件を満たす必要があります。
その条件は
“医療系の国家資格を有している”
という事になります。
必要な資格は下記の通りです。
②理学療法士
③作業療法士
④言語聴覚士
⑤看護師
⑥准看護師
⑦あん摩マッサージ指圧師
⑧鍼灸師(一定の実務経験が必要)
※鍼灸師に関しては2018年4月から機能訓練指導員として働けるようになりました。一定の実務経験とは「鍼灸師以外の機能訓練指導員が在籍する事業所で半年以上の機能訓練業務を経験している事」となります。鍼灸師が新たに追加された背景には、今後の超高齢化社会に向けて機能訓練指導員の数を確保するといった事などが要因になっています。

機能訓練指導員として働く人は2010年で約20,000人、2016年では約53,000人と倍以上になってるんやで。鍼灸師が新たに追加された事も追い風になって今後も増えていく事が予想されるで。そんだけ需要が高まってるって事や!
機能訓練指導員の活躍の場

①デイサービス
「通所介護サービス」とも呼ばれます。主なサービスとしては入浴・医療処置・食事などが基本ですが、身体機能の改善を目的とした機能訓練も行います。日常生活に必要な歩行能力や段差昇降能力など、自宅での生活を見据えたプログラムを多く取り入れます。また、家事作業・入浴・更衣・排泄動作などに繫がる日常動作能力の向上も促します。レクリエーションや軽運動等を通じ、身体面だけでは無く認知症などの予防にも取り組みます。筋力・心肺機能・認知機能・日常生活能力などに多方面からアプローチを行い、総合的な支援を行うといった部分が特徴的です。
②デイケア
「通所リハビリテーション」とも呼ばれます。基本的なサービス内容はデイサービスと共通する所が多いですが、大きな違いはリハビリ環境に特化しているという事です。病院などの医療機関に併設されている事が多く、医師が常駐している事もデイサービスと大きな違いです。医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士などの専門職のリハビリを受けれるといったメリットがあります。
③特別養護老人ホーム
一般的に「特養や老人ホーム」と呼ばれます。デイサービスやデイケアは通いでの利用ですが、特別養護老人ホームは施設入所という形になります。自宅での介護や生活が難しいと判断された方が入所される為、心身面の機能低下は著しく重度な傾向にあります。デイサービスやデイケアでは歩行訓練などの自宅での生活を目的としたプログラムが主な事に対し、特別養護老人ホームでは最低限の日常動作を維持する事が目的となります。ベッドからの起き上がり・体位変換・座位姿勢の保持・食事動作・ベッドから車椅子への移乗動作など。重度の障害を持つ方も多く、事故などのリスクは必然的に高くなります。持病の把握や専門的な知識がより必要な分野とも言えます。
④介護老人保健施設
一般的に「老健」と呼ばれます。病気や怪我が原因で身体機能が低下した方が自宅復帰を目指す施設です。退院したが能力的にすぐには自宅に戻れない、または自宅での生活が困難になった方などが対象となります。入所期間はおよそ3~6カ月程度です。デイサービス・デイケアと特別養護老人ホームとの中間的な施設とも言えます。病院と併設されている事が殆どの為、デイケアと同様に医師の指示のもと専門的なリハビリが受ける事が出来ます。また、看護師や栄養士からの健康管理面のサポートも受けられるといった部分も他施設には無い魅力となっています。

施設によって利用者の身体レベルは様々や。自分の保持資格や得意分野に合わせて職場選びをするのもポイントやで!
機能訓練指導員の仕事内容
①個別機能訓練計画書の作成

介護施設ではリハビリの事を「機能訓練」と言います。利用者に機能訓練を実施するあたり、まずは個別機能訓練計画書にサービスやプログラム内容を記載します。
利用者自身や家族の想いを計画書に反映させ、目標達成の為に必要なプログラムを具体的に示します。医師・ケアマネジャー・介護士・看護師などの他職種の意見も取り入れ、総合的な支援計画を立てていきます。
②個別機能訓練

個別機能訓練計画書に基づき、実際に機能訓練を行います。機能訓練指導員としてメインにあたる業務になります。
・関節可動域訓練
・筋力トレーニング
・歩行訓練
・昇降動作訓練
・移乗動作訓練
・日常動作訓練(更衣・整容・排泄・入浴・食事など)
プログラム内容は多岐に渡り、在宅生活の継続を第一優先にした考え方が基本となります。場合によっては介護士や看護師の協力を得る事もあります。※日常動作訓練については介護士や看護師の方がより専門的な知識を持っている為
③レクリエーション指導

レクリエーション活動も機能の維持に有効的です。体操や手先を細かく動かす作業など、様々なプログラムが存在します。
・嚥下体操
・軽運動
・創作活動
・脳トレ
・食器洗い
・洗濯物たたみ
・園芸
・日曜大工
認知症の予防・生きがい作り・社会交流などを重視した活動が特徴です。身体面だけでは無く精神面の安定にも繋がります。
④送迎

デイサービスやデイケアなどの通所サービスでは送迎がある事も特徴の一つです。
・利用者の自宅環境を知る事ができる ・家族の想いや要望に耳を傾ける事ができる ・コミュニケーションを図る機会が得られる
機能訓練を行う上でのヒントや目安になるといった点では必要な業務とも言えます。

世間話や何気ない会話したり、お互いの距離を縮めるには持ってこいや!生活背景を知れるのもメリットの一つやで♪
機能訓練指導員の未来

今後、日本では超高齢化社会が進むと言われています。2040年には65歳以上の人口が全体の約35%、2050年には約40%にまで増加するとの見方もあります。介護を必要とする人が増え、介護業界への需要はますます高まっていく事が予想されます。高齢者の身体機能を改善できる機能訓練指導員はこれから更に重宝される存在になっていくでしょう。
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