【現役の機能訓練指導員が解説】介護業界の給料が安い3つの理由

お札手渡し

こんちわっす!

本日は

介護業界の給料が安い3つの理由

についてお話していきます!

前回の記事で

機能訓練指導員を含めた介護業界の給料が一般的な平均年収より低いお話をしました。

こちらがその記事です👇

その理由を3つに絞って解説していきたいと思います!

①介護報酬に依存している

②非正規職員が多い

③人間関係が複雑

給料が低い理由は様々ありますが、上記の3点が大きな理由として挙げられます。

実際に介護施設で働いている機能訓練指導員としての視点から考察していきます☺

柔整ゴリラJr.
柔整ゴリラJr.

📝この記事を読んで分かる事

  • 機能訓練指導員を含めた各職種の平均年収
  • 介護業界の給料が低いと言われている理由
  • 介護施設における機能訓練指導員の現状

介護施設における各職種の平均年収

まずは介護施設で働く場合の一般的な平均年収を見ていきましょう。

職種ごとの平均年収

①機能訓練指導員・・・約357万円

②看護職・・・約443万円

③介護職・・・約362万円

看護職が443万円で一番高く、次いで介護職が362万円、機能訓練指導員が357万円となっています。

これに対して

日本人の平均年収・・・約459万円

となっています。

見比べてみると

介護施設で働くどの職種も日本人の平均年収に満たない事が分かります。。

看護職についてはほぼ同等ですが、機能訓練指導員と介護士についてはおよそ100万円程度の開きが見られます。

やはり全体的に俯瞰してみても、介護施設の給料水準は低い傾向にあるのが現状です。

介護業界の給料が低い理由

では何故、業界全体の給料水準が低いのかを解説していきます。

①介護報酬に依存している

介護保険証と聴診器

介護報酬とは?

定義としては以下の様になります。

事業者が利用者に各種介護サービスを提供した場合に、その対価として事業者に支払われる報酬の事を指す。

少し分かりにくい様な気がしますね(笑)

要約すると

利用者が介護保険を使ってサービスを受けた場合、その保険請求金額を事業所が受けとる事が出来る

という事です。

例えば病院や整骨院などで健康保険を使って治療を受けたとします。

その時に一部負担金を支払いますよね?

その負担金に加え、保険請求金額は病院や整骨院の収益になります。

この考え方と基本的には一緒です。

各分野による違いは以下の通りです。

☑介護施設・・・介護報酬(介護保険)

☑病院・・・・・診療報酬(健康保険)

☑整骨院・・・・療養費(健康保険)

呼び方が異なりますが意味合いとしてはほぼ同義と捉えてもらって大丈夫です。

では介護報酬に頼りきりになるとどうなるのか?

一番の問題としては

介護報酬以外の収益方法が無い

という点です。

病院や整骨院ではこれに対して

「保険診療+自由診療」

という形が一般的です。

一昔前であれば病院も整骨院も保険診療のみに頼っていた時代があった事は確かです。

ですが、近年では診療報酬や療養費の削減に伴い経営が厳しくなっています。

そこで新たな収益源として「自由診療」という形に舵を切りました。

他院との差別化を図り生き残りをかけています。

一方で

介護業界は未だに介護報酬による収益のみに頼っている現状にあるのです・・・

療養費の削減に至った経緯などはこちらの記事で解説済みです👆

保険診療と自由診療の違い

保険診療と自由診療の違いについて補足しておきます。

保険診療と自由診療の違い

①保険診療・・・健康保険や介護保険などを用いて診療・サービスを受ける事

②自由診療・・・公的な保険を使わない(自費での支払い)

その他にも

保険診療 ⇒ 単価が安い

自由診療 ⇒ 単価が高い

という特徴があります。

介護保険は①に当たります。

従って収益を増やすには数を増やす必要があります。

すなわち、利用者人数の確保が必須という事になります。

その結果

無理な定員数の拡大

👇

人手不足もあり職員は疲弊状態に

👇

離職に繫がる

👇

収益が上がらず給料に還元されない

という悪循環に陥ります。

中には自由診療を取り入れている介護施設も存在しますが、まだまだ一般的ではありません。

治療費やサービス料が高額になるなどのデメリットもあり、介護業界に自由診療が浸透していくには時間がかかりそうですね。。

②非正規職員が多い

非正規職員

介護業界では非正規職員での雇用形態が多い特徴があります。

これは業界全体の給料水準が低い事もあり、雇用主が人件費削減の為に非正規職員の雇用を促進する一面があるからです。

非正規職員として働くメリット・非正規職員を雇うメリットは次の通りです。

非正規職員として働くメリット
  • スポット的な働き方が可能
  • 異動や転勤が無い
  • プレッシャーが少ない
  • 仕事とプライベートを両立しやすい
非正規職員を雇うメリット
  • 人件費を抑えられる
  • 雇用期間の定めがある為、離職を促しやすい
  • 仕事内容が限定的な場合が多く、より専門性を持った人材を獲得できる

雇用される側・雇用する側にとってもメリットが多いですね♪

これだけ見るといい事だらけの様な気もしますがそんな上手い話はありません(笑)

ここからはデメリットについてお話していきます。

この部分は給料が低い理由に直結してきます。

非正規職員として働くデメリット
  • 賞与や退職金が無い
  • 時給雇用である事が多く、給料が安定しない
  • 昇進や昇給の機会が少ない

デメリットの殆どがやはり金銭的な部分になってきます。

介護業界では非正規職員の割合が全体の3~4割程度を占めると言われています。

更に訪問介護(ヘルパー)では7割程度が非正規職員とのデータもある程です。

訪問介護も合わせればおよそ5~6割程度が非正規職員という状態です。

当然の事ながら非正規職員は正規職員と比べると給料は低くなります。

非正規職員の多さ

非正規職員の給料の低さ

が業界全体の給料が上がらない一因になっています😨

③人間関係が複雑

手で顔を覆う白衣姿の女性

介護施設では様々な職種の設置が義務付けられています。

その為、他職種と働く事が前提となります。

介護施設に在籍している様々な職種
  • 介護福祉士
  • 看護師
  • 機能訓練指導員
  • 介護支援専門員
  • 社会福祉士
  • 相談員
  • 業務員
  • 運転手

上記の様に在籍している職種は多岐に渡ります。

介護業界の離職率は高い?低い?

これだけ多くの専門職がいれば良い方向に働く事もあれば、その逆もまた然りです。

もちろん人間ですので、性格の合う合わないは必ずしもあります。

この人間関係によるトラブルなどが一番問題なんじゃないかなと個人的には思っているくらいです💦

本当に人の入れ替わりが激しいと言うか・・・

新しく職員が入ってきても長続きしない・・・

人が安定しない・・・

介護業界は離職率が13.1%と言われ、その他の業界全体の15.4%を下回っています。

結果だけ見ると

離職率は平均以下で高くないが低いとも言えない

という何ともしっくりこない結論になりました。

個人的には平均より高いだろうと思っていたので意外なデータでしたね😲

ですが、施設によって変動があるので一概に離職率が低いとは言い切れません。

僕自身が働いている施設も体感ですが、かなり離職率は高い気がしています。。

負のスパイラル

離職に繫がってしまう原因として挙げられるのが

3K ⇒「きつい・汚い・危険」

というイメージ。

それに加え、人間関係の難しさなどが離職率に拍車をかけている様に感じます。

  • 性格の不一致
  • 専門性の違いによる意見の相違
  • 業務範囲の不透明さ
  • 正規職員と非正規職員の軋轢

などですかね。

これが原因でこじれている場面を嫌というほど見てきました。

業務範囲の不透明さ

👇

人間性や専門性の違いによる意見の相違

👇

離職に繫がる

👇

現場が人手不足に陥る

👇

サービスの質の低下・介護報酬の減少

👇

給料水準の低下

こんな負のスパイラルに陥ってしまうケースがよくありましたm(__)m

介護業界あるあるかも知れませんね・・・

機能訓練指導員に求められる仕事

機能訓練指導員の主な業務内容は機能訓練(リハビリ)です。

ですが、様々な職種と一緒に働いている為、機能訓練だけをやっていれば良いとも言い切れません。

時には主要業務以外の仕事を求められる事もあります。

機能訓練指導員に求められる仕事
  • 機能訓練
  • 送迎
  • 外部関係機関との情報共有や連絡(ケアマネジャー等)

機能訓練は当然の事ながら、送迎やケアマネジャーなどの外部機関との情報共有なども業務内容として含まれます。

この業務に関しては通常業務なので当然と言えば当然ですが・・・

大変なのは他職種と連携を取り合って日々業務を行う部分です。

僕自身が働いているのはデイサービスになります。

デイサービスでは様々な介護サービスを提供しますが、その性質上やはり重要視されるのは

入浴・排泄・食事介助

になります。

機能訓練の優先度はさほど高くないのです😨

よって、介護職や看護職の存在がとても重要になります。

これはあくまでも僕の持論ですが

機能訓練指導員は第三者の目線で冷静に物事を判断する

立ち位置にあると思っています。

どの職種寄りの考えにもならず、客観的に現場を見るという事です。

時には他職種同士の仲を取り持ったり

時には愚痴を聞いたり

時には他職種の業務を代行したり

時にはサービスや業務改善の提案を行う

見方を変えれば代えの効かない貴重な存在とも言えますよね♪

職員や現場の橋渡し役として機能する事で

サービスの質の向上・収益アップに貢献が出来ます!

近年では機能訓練指導員として働くだけでは無く、昇格して管理者を任せられるケースも増えています。

介護職や看護職が管理者の場合、どうしても考え方が自身の専門よりに偏ってしまう傾向にあります。

そういった意味では前述した様に

中立的な立場にある機能訓練指導員には管理者の適性がある様な気がしています☺

現場への影響力を高めて実績を積めば、大幅な給料アップの可能性も出てきますしね🙌

もちろん、機能訓練の実施による介護報酬の収益アップに貢献する事を忘れてはいけませんけよ!

機能訓練指導員が機能訓練を行わないなんて、元も子も無いですからね(笑)

機能訓練指導員の主な業務内容についてはこちらから👇

筆者から一言

夕暮れの空に向かって紙飛行を飛ばす風景

今回は介護業界の給料事情について自身の経験も交えてお話しました。

世間からのイメージとしては

  • 3K(きつい・汚い・危険)
  • 高齢者のお世話は大変
  • 暗いイメージ
  • 給料が低い

など、あまりポジティブでは無いかもしれません。

僕自身も働く前はそういうイメージがありました。

でもいざ働いてみると

  • 和気あいあいとした和やかな雰囲気
  • 職員が誇りを持って働いている
  • 地域貢献が出来る

など、イメージがいい意味で覆されました!

とてもやりがいのある仕事です!(^^)!

何といっても

人の役に立つ仕事

一番はこれに尽きますね♪

まだまだ課題は多いですが、将来性も高く需要も無くならない仕事だと思います。

柔道整復師の働き方の一つとして、今後もより期待がかかる分野でもありますしね✨

今日はここまで!

ではまた♪

タイトルとURLをコピーしました