柔道整復師はオワコン?将来性を考察する

こんちわっす!

柔道整復師として働いて15年。

「柔道整復師はオワコンだ。」

「柔道整復師はやめとけ。」

世間からよく耳にするようになりました。

YES?NO?で聞かれれば

「NO!」

ですね🤛

何故そんな事を言われる様になったのか?

自分なりの考えはこうです👇

柔道整復師の人数の飽和化

保険の不正請求問題

民間資格や治療院の増加

将来性と共に深掘りしていきます。

ではどうぞ😀

柔道整復師の人数の飽和化

柔道整復師の人数は年々増え続けています。

始めて柔道整復師国家試験が行われた1993年(平成5年)の時点では2万5000人程。それが2022年(令和4年)時点では7万8000人にまで増加。約30年間で5万3000人も増加した事になります。単純計算すると年間約2000人弱ずつ増えている計算になります。

引用元:リハサク https://rehasaku.net/media/career/1722/

これは凄い勢いですよね😮

では何故これだけ人数が増えたのでしょうか?

柔道整復師養成学校の急増

1998年(平成10年)に養成学校の開設規制が大幅に緩和された事が背景にあります。

これにより1998年の14校から2011年には108校にまで養成校の数が増えました。現在はやや減少し89校程となっています。

当然ながら、学校数の増加とともに柔道整復師の数も増えていくという事になります。

業界は過剰供給状態に陥り、柔道整復師の受け皿が少なくなっている事もオワコンと言われている一つの原因です。

余談

規制緩和が行われる以前の養成学校への入学は狭き門だったそうです。

基本的に柔道経験者か親が柔道整復師(2代目候補)でないと入学出来なかったと聞いた事があります。

それが規制緩和後は誰でも入学が可能になりました。※これは良いこと✌

ちなみに僕は柔道未経験者ですし、2代目でもありません(笑)

保険の不正請求問題

柔道整復師の増加に比例し、整骨院の数も増え続けています。

“整骨院と美容院はコンビニより多い”

と言われるほど街中に溢れかえっています。

厚生労働省が発表した2022年の統計によると全国に5万店舗の整骨院が存在しているそうです。

養成学校の規制緩和が行われた1998年が2万3000店舗だった事を考えると、約25年間で倍以上の店舗数になっています。

これだけ整骨院が増えれば競争は激化し、売上が上がらない院は経営存続が危ぶまれる事は言うまでもありません。

そこで近年問題となっているのが

【保険の不正請求問題】です。

ニュースなどで一度は耳にした事があるのではないでしょうか?

整骨院では健康保険証を使用して治療を受ける事が出来ます。

治療可能なケース
  • 骨折
  • 脱臼
  • 捻挫
  • 打撲
  • 挫傷

上記以外の症状については基本的に保険適用外になります。

怪我や急性または亜急性の症状にしか保険は適応されないという事ですね。

不正請求の手口

ではどうやって不正請求を行うのか?

  • 腰痛や肩こりなどの慢性疾患を捻挫や挫傷と偽る
  • 通院日数を意図的に増やす(水増し請求と呼ぶ)
  • 架空請求(実際に通院していないが通院している事として請求する)

などが代表的です。

もちろん違法であり、判明した場合はそれなりの処罰を課せられます。

最悪の場合、柔道整復師免許の停止に至る場合もあります。

こういった側面も柔道整復師のイメージダウンに繋がっています😢

「一部の整骨院の不正によって業界全体のイメージが悪くなる」

健全な運営を行っている整骨院にとっては迷惑な話ですよね👊

民間資格や治療院の増加

整骨院の増加に伴い同様に増えているのが

民間の資格取得者や治療院です。

イメージしやすい所で言うと

  • 整体院
  • マッサージ店
  • 骨盤矯正
  • カイロプラクティック

などでしょうか。

街中で看板などをよく見かけますよね。

整骨院は保険を使って怪我の処置や治療などを行いますが、意外と世間からの認知度は低いです。

一方でマッサージ店やカイロプラクティックなどは治療のイメージがしやすく、来院のハードルが低い傾向にあります。

これに整骨院の不正請求問題などのイメージも重なり、民間治療院を利用する人の増加に拍車をかけている様に思います。

柔道整復師の将来性

人数は減少傾向に転じる可能性がある

柔道整復師の人数は今後減少していく可能性があります。

その理由として

  • 国家試験合格率の低下
  • 受領委任制度の厳格化
  • 少子化問題

などが考えられます。

ひとつずつ見ていきましょう☝️

国家試験合格率の低下

まずは国家試験合格率の低下から。

第27回国家試験までは全230問の設問数でしたが

第28回から全250問に設問数が引き上げられました。

詳しくはこちらから👇

国家試験に思いを馳せる
今年もこの季節がやってきた。【第33回柔道整復師国家試験】2025年3月2日(日)に実施されます。僕が国家試験を受けたのは2011年に実施された【第19回柔道整復師国家試験】でした。早いものであれからもう14年。当時の記憶を辿っていこうと思...

これにより合格率が低下。

それまでは概ね65~75%前後で推移していましたが、第28回以降は60~65%前後程度に落ち込みました。

第31回では過去最低の49.6%となっています。

引用元:情報かる・ける https://karu-keru.com/info/job/jt/judo-rehabilitation-teacher-national-examination-pass-rate

今後は何らかの対策で合格率が持ち直す事も考えられますが、現在の所はあまりその兆しは見えないような気がします😓

今回の国家試験の結果も気になる所ですね!

受領委任制度の厳格化

【受領委任制度】

あまり聞き慣れない言葉だと思います。

整骨院では健康保険証を使って治療が受けれると前述しました。

簡単に言ってしまうと

【受領委任制度】= 【健康保険証を使っての治療】

と思って貰えればオッケーです👌

詳細は少し複雑な話になるのでここでは割愛します。

知りたい方は個人的に調べてみて下さい♪

なぜ受領委任制度が厳格されたのか?という事ですが

不正請求を行う整骨院が増えたから

という結論に尽きます。

当然の事ながら不正を行えば相応の処罰が課せられます。

主な処罰
  • 施術所への立ち入り検査や監査
  • 受領委任の取り扱い停止(5年間)
  • 業務停止
  • 柔道整復師免許取り消し

こうなってしまうと仕事どころでは無く、最悪の場合は免許を取り消されて柔道整復師として働く事が出来なくなる可能性もあります。

不正請求が横行している事から国も将来への懸念を抱き、2011年からは柔道整復師にかかる療養費の削減に踏み切っています。

この療養費の削減により整骨院側は売上面で大きな打撃を受けました。

これに加えて2020年からはコロナショックも追い打ちをかけます。

売上が見込めなくなり、廃業・閉業を余儀なくされる整骨院が増えました。

金銭面や経営面からもみても厳しい現状となっています。

少子化問題

現在、日本は少子化問題に直面しています。

2024年の世界における出生率ランキングでは

212/227位

となっており、世界的に見てもかなりの少子化国となっています😨

子供の数が少なければ

柔道整復師になりたい!

という子供も当然ながら減る訳です。

これはもちろん柔道整復師に限った事ではありません。

国全体をあげて取り組まなければならない問題ですよね!

需要が高まっていく業界も存在する

整骨院業界が厳しい現状の一方で、より必要とされていく業界があるのも確かです☺

その中でも

は将来性が高いと言われています。

その理由はシンプルです。

という事です。

僕自身も介護施設で働いてますが、今後更に必要とされていく存在になる可能性は十分にあると思います。

詳しくはこちらをご覧ください💡

福祉業界の他にも病院・スポーツ現場などといった業界からの需要も近年では高まっており、働き方の多様化が進んでいます。

この流れは個人的には一番嬉しいですね!(^^)!

”整骨院以外にも活躍の場がある”

これから柔道整復師を目指す人やキャリアアップを考える人には必ず追い風になると思います♪

最後に。

整骨院の現状が厳しいとの話をしましたが

全ての整骨院に当てはまる訳ではありません。

中には他院との差別化を図り、経営を軌道に乗せている整骨院も沢山あります。

あんだけネガティブな事ばっか言っといてなんですが(笑)

やはり柔道整復師として一番の専門性を活かせる場所は整骨院なんだと思います。

【開業が出来る】

【自分の店が持てる】

僕自身も柔道整復師を目指した理由です。

治療人としての基本的な知識やスキルは整骨院で学びました。

現在もこれから先もこの事実は変わりません。

柔道整復師のはしくれとして整骨院業界には元気でいて欲しいなぁと思っています✌

今日はこの辺で!ではまた♪

柔整ゴリラ
記事を書いた人
柔整ゴリラ

資格・職種 ⇒ 柔道整復師・機能訓練指導員
経歴 ⇒ 整骨院で副院長・院長を歴任。Uターン帰省を機に福祉業界に転職。介護施設で機能訓練指導員として活動中。
   

柔整ゴリラをフォローする
柔道整復師

message