こんちわっす!
本日は以前にも紹介した
【高齢者に起きやすい四大骨折】
シリーズの第2弾をお送りします!
第1弾はこちら👇
勝手にシリーズ化しちゃってますが(笑)
「4大骨折」は以下の様になります。
① 大腿骨頚部骨折
② 胸腰椎圧迫骨折
③ 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)
④ 上腕骨外科頸骨折
イラストで表すとこんな感じですね💡

微妙な名前の違いはご容赦下さいm(__)m

そういえばうちのお婆ちゃんも骨折してたよ・・・
将来的には親の事も心配だなぁ。。
身近な人で経験された方も居るのではないでしょうか?
前回は①の「大腿骨頚部骨折」についてお話しました。
今回は②の「胸腰椎圧迫骨折」について解説していこうと思います!(^^)!

前回もかなり勉強になったし、今回も家族の為にもしっかり覚えよっと♪
この4つの中では大腿骨頚部骨折に次いで多い骨折ですね!
ではお付き合い宜しくお願いします♪

📒こんな人にオススメ
- 自分の老後に不安のある人
- 高齢の家族が身近に居る人
- 医療従事者や介護従事者の人
胸腰椎圧迫骨折が起こるメカニズム
ここでは「胸腰椎圧迫骨折が起こるメカニズム」についてのお話です☺
主な要因は3つになります💡
① 解剖学的特徴
② 低エネルギー外傷
③ 骨粗鬆症
それぞれ理由を解説していきたいと思います☝
① 解剖学的特徴
胸腰椎圧迫骨折は ”脊椎圧迫骨折” とも呼ばれます。
始めに【脊椎】の特徴をご紹介します。
【脊椎】=【背骨】だと思って貰えれば結構です。
脊椎は
頸椎 胸椎 腰椎
の3つの骨の集合体です。

この3つの骨が連結する事で【脊椎】が完成するんや!
内訳は以下の通りです。
頸椎・・・7椎
胸椎・・・12椎
腰椎・・・5椎
イラストがこちら。
ユビー
胸腰椎圧迫骨折が起こりやすいのは
「胸腰椎移行部」
になります。
その名の通り、胸椎と腰椎のつなぎ目に発生しやすいという事です。

どうしてつなぎ目に発生しやすいの??
理由としては
“力学的に脆弱”
この1点に集約されます。
脊椎はS字状に湾曲しており、所々カーブしている部分があります。
このカーブが
「外力を受けた際のクッション作用」
として重要な機能を果たします。
つまり ”衝撃を分散させる事が出来る” という事になります。
しかし、裏を返せばそこに “衝撃が加わりやすい” という事にもなります。

頸椎・胸椎・腰椎それぞれの移行部がこの丁度カーブしている部分に当たるんや!!
結果、何らかの強い外力や衝撃が移行部に加わった時に骨折しやくなるという訳です。
② 低エネルギー外傷
胸腰椎圧迫骨折は「低エネルギー外傷」で起こる事が多い怪我です。

低エネルギー外傷??
あまり聞き慣れない言葉ですよね😲
骨折・打撲・捻挫など、比較的弱い力が加わる事で発生する外傷

反対に交通事故など、強い力で発生する外傷の事を【高エネルギー外傷】と言うで!
低エネルギー外傷は日常生活で起こるケースが殆どです。

胸腰椎圧迫骨折の発生例で言うと
- 転倒や尻もち
- 重い物を持ち上げた時
- 勢いよく椅子に座った時
- 寝返りや起き上がり動作
- 車の振動
などが挙げられます。

えっ?
寝返りや車の振動でも骨折するの!?

重度の骨粗鬆症の人はちょっとした外力で骨折する事もあるんや!
骨粗鬆症については次項で説明します。
実際に僕の働いている介護施設でも
- 送迎中の車の振動
- 寝返り動作
- 体を捻る動作
などで骨折したケースもありました😨
若い人はこんな事はありませんが、高齢者になると少しの外力で容易に骨折が起きます。

“易骨折性“ ってやつやな!
「こけたらアカン!」
と高齢者に口酸っぱく言うのはその為ですね!
若い人もこけて良い訳では無いのでそこは注意しましょうね(笑)
③ 骨粗鬆症
高齢者の骨折の原因として多いのが「骨粗鬆症」です。
これはどなたでもイメージがつきやすいんじゃないですかね?
シンプルに “骨が脆くて折れやすい” という事です。
生活習慣病の一種でもありますしね。

これはイメージが湧きやすいな。
女性に多いもんね!
そうです💡
骨粗鬆症の発生率は圧倒的に女性に多いんです!
- 閉経による女性ホルモンの低下
- 妊娠、出産によるカルシウム不足
- 女性疾患による影響
- 筋力不足
原因は様々あります☝
中でも一番影響を受けるのが
「閉経による女性ホルモンの低下」です。

特に「エストロゲン」というホルモンの影響を受けやすいんや!
エストロゲンの低下と骨粗鬆症の関係性を表したグラフです☟
あすか製薬
骨粗鬆症に限らず、色んな疾患への影響力が強いですねm(__)m

更年期に入る時期を境に分泌量が急低下してる・・・
同時に
60歳以降は骨粗鬆症による骨折リスクが高くなる
という事も読み取れます。
いかに女性ホルモンの働きが重要か分かりますね。

骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い。
男性の3~5倍というデータもあるで!
これまでの内容をまとめると
骨粗鬆症の状態で
👇
転倒などの低エネルギー外傷が発生
👇
力学的に脆弱である胸腰椎移行部に外力が加わり
👇
胸腰椎圧迫骨折を発症する
という流れになる事が考えられます!
万が一の時の為に、発症メカニズムをしっかりと頭に入れておきましょうね♪
治療法
ここからは治療法についてです。
治療法は主に2種類あります。
① 保存療法
② 手術
どういった場合に適応があるのか?
それぞれ見ていきましょう!
① 保存療法
治療の第一選択肢として挙げられるのが「保存療法」です。

「手術をしない」という選択ですね。
- 高齢であり手術の侵襲が高い場合
- 麻痺や痺れなどの神経症状が無い場合
- 骨折の程度が軽度である場合
保存療法が優先される一番の理由は
【体力的な問題】
が大きいです。
手術は体に大きな負担がかかります。
胸腰椎圧迫骨折は高齢者に多い骨折なだけに、手術に耐えられる体力が備わっていない事が多いんですね😨

若い人でも負担が大きいもんね。
高齢者になると尚更だよね・・・
その他にも
全身麻酔によるアレルギー反応や呼吸器不全
傷口からの細菌感染による感染症
などもリスクとして挙げられます。
万が一に備えて保存療法が選択される
といった考え方が基本になりますね!

胸腰椎圧迫骨折を受傷した人の90%が保存療法を選択しとるんや!
保存療法の方法としては
- コルセットやギプスの着用
- 臥床による安静
- 鎮痛剤などによる疼痛管理
などが一般的です。

コルセットのイメージが強いかなぁ。
メリット
- 体への負担が少ない
- 精神的な苦痛が少ない
デメリット
- コルセットやギプスによる活動制限
- 治療期間の長期化
- 筋力低下や関節拘縮のリスク増大
という特徴もあります。

【年齢・性別・体力・基礎疾患】などを考慮して、自分に合ったベストな治療法を選びたい所やな!
② 手術
保存療法が選択される事が殆どですが、「手術」が適応になるケースもあります。
- 若年者であり手術の侵襲が少ない場合
- 激しい疼痛や神経症状を伴う場合
- 骨片転移の可能性がある場合
- 保存療法で思うような治療効果が得られなかった場合
骨折症状が強く出ている場合に手術が適応されるイメージですかね!
代表的な手術法としては
①バルーン椎体形成術(BKP)
②脊椎矯正除圧固定術
が挙げられます。

何か難しそうな手術だなぁ。。

「潰れた骨を元の状態に戻す」という手術や!適応例は保存療法に比べると少ない。頭の片隅にでも入れておくとええで。
予防法
最後に予防法についても触れておきます。
① 適度な運動と栄養摂取
② 住環境の整備
思いつく所でこの2つですかね😁
どちらもそんなに難しくない話だと思います!
参考までにどうぞ♪
① 適度な運動と栄養摂取
効果的な予防法として挙げられるのが「適度な運動と栄養摂取」です。

これは主に骨粗鬆症を予防する為の手段とも言えますね。
そもそもの話ですが、骨粗鬆症にならなければ骨折のリスクを大幅に軽減できます。
具体的な方法は以下の通りです💡
- 30分程度のウォーキングや散歩
- カルシウムなどの必要な栄養素の摂取
- 日光浴
内容を噛み砕くと
骨に自重などで負荷をかける
カルシウム・ビタミン類・タンパク質などの摂取
日光浴でカルシウムやビタミン類の吸収を効率化
といった感じですかね☺

ウォーキングと栄養摂取は何となくイメージがつくけど、日光浴は初めて聞いたなぁ?
「日光浴」と聞くと意外かも知れませんが、骨量や骨密度を維持する上で重要な役割を果たします。
日光を浴びると皮膚でビタミンDが生成される
👇
カルシウムを摂取した際にビタミンDが骨への沈着を促す
👇
骨量・骨密度の維持に繫がる
ビタミンDの他、ビタミンKにもカルシウムが骨への沈着を促す効果があります。

ただし、ビタミンKの場合は日光浴では生成されない。
食事から摂取する必要があるで!
”ご飯をしっかり食べてお日様の下で歩く”

シンプルだけど、一番効果的な方法かもしれないね!
【運動・栄養・日光浴】の3本柱で骨粗鬆症の予防に努めていきましょう♪
② 住環境の整備
予防には「住環境の整備」も重要です。
なぜ重要かと言うと
「体にかかる負担を減らせるから」です。
胸腰椎圧迫骨折は日常生活で起こるケースが多いと前述しました。
つまり、そのリスクを減らしてあげれば良いと言う事になります。

具体例です👇
- 廊下や玄関等に手すりの設置
- 昇降式ベッドや椅子の設置
- 浴室やトイレの改修
- 杖、歩行器、車椅子などのレンタル
屋内外の移動
ベッドからの起き上がり動作
入浴や排泄時の立ち座り動作
などによる骨折リスクを減らす事を第一に考えた予防策とも言えますね💡

ハード面の環境を整えるって事だね!

高齢者にとって一番怖いのが “転倒” する事や。転倒を未然に防ぐ事がリスクを減らす鍵になるで!
しかし、そこで問題となってくるのが【環境整備にかかる費用】ですよね。。

けっこうな額がかかりそうだね・・・
もちろん、自費での支払いとなるとかなりシビアな話になってきますm(__)m
そこで頼りになるのが
【介護保険】
の存在なんです!!

えっ!?
介護保険で費用を賄えるの??
そうなんです!賄えるんです!!
これは意外と知られていない事実かもですね♪
介護保険の仕組みはこちらで解説済みです👇
住宅改修や福祉用具のレンタルもサービス内容に組み込まれています☝

介護保険に加入している人なら誰でも平等にサービスを受ける事ができる。
しかも最低限の自己負担で済むんや!活用しない手は無いで♪
今回は【胸腰椎圧迫骨折のメカニズム】を治療法や予防法と一緒に紐解いてきました。
圧倒的に高齢者に多い骨折ではありますが、若い人が絶対にならないという訳でもありません。
若いからと言って不規則な生活や体を酷使し続けていると、将来痛い目に遭う可能性もあります💦
充実した余生を過ごす為にも、今から知識を身に付けておきたいですね!(^^)!
明るい老後を迎えましょうね😁
今日はここまで!
ではまた♪